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「どうする!?親の家」~元気なうちに相談しておくのが得策です~


久しぶりに実家に帰ったら、親が急に年をとって見えた…。
親が病気がちになってきたけれど、遠くて何もしてあげられない…
そろそろ介護について考えないと…
今回は、そんな想いを抱いている方へ
ご両親がお住まいの住宅の将来について
少し早めに考えてみませんか?というご提案です。

直面してからでは選択肢が減る

たとえば悲しいことですが、親御さんが認知症と診断されてしまうと、重要な法律行為を行うことができなくなるので、自宅を売却することが困難になってしまいます。

 

また、一人暮らしをしていた親御さんが急に亡くなってしまったり、特別養護老人ホームに入居したりすると、実家は空き家状態に。
空き家になると、家はみるみる傷んでしまい人に貸すこともできないまま、家の固定資産税だけを払い続けることになってしまいます。

 

そんな事態に直面する前に、実家の将来や介護について親子で話し合っておくのが得策です。
タイミングとしては、たとえば子どもが独立したときや、親御さんが病気になったりして健康面に不安を感じるようになったとき、片方の親御さんが他界したときなど、暮らし方に変化が起きたときがおすすめです。

避けたい「空き家」化

家

親御さんが他界してしまったり老人ホームに入所したりしたときに、子どもたちが別の場所で居住していると、実家は誰も住まない「空き家」になってしまいます。
家というものは、人が住まないで放置しておくとあっという間に傷んでしまいます。

 

雨風に打たれ屋根や壁が崩れ落ち、通行人に当たるなど危険なことがあるかもしれません。
庭があれば雑草が伸び、虫なども増えてご近所に迷惑をかけてしまうかもしれません。
不法投棄の恰好の場所になる可能性も、放火されてしまう可能性も出てきてしまいます。

 

これらのことが心配で、たびたび見にいく時間や手間、お金もかかってきます。

 

そして意を決して実家を取り壊すことを決めたら、決して安くはない解体費用がかかってきます。
そう、一つもいいことはないのです。

 

ですから、親御さんが住まなくなった実家が空き家になることはなるべく避けられるよう、早めに対策を考えておくことをおすすめします。

対策①子どもの誰かが住む

夫婦と子供

もしマイホームをもっていない子どもがいて、通勤条件や子どもの教育環境、生活の利便性などを考慮した上で暮らしていけそうだと判断したら、親御さんが住まなくなったときに、単身または家族で実家に引っ越して住むことが考えられます。

 

その場合、他にも相続人がいる場合は、事前に遺産分割の話をきちんとまとめておくのが得策です。

 

相続人が複数いて誰かが実家を相続する際には、代償分割といって、他の相続人に対してその家の価値を現金化して、それぞれが相続すべき割合に応じた金額を現金で支払うことになります。

 

たくさんの思い出がつまった実家が残ることはうれしい反面、築年数や状態によってはすぐにリノベーションしたいと思ったり、設備関係のリフォームが必要になってくるかもしれません。

 

そのことをふまえた上で、実家を相続するか新築を購入するか、しっかり考えて決めましょう。

対策②他人に貸す

子犬と子供

実家の立地条件や家の状況によっては、他人に貸すという選択肢もあります。
空前のペットブームもあって、戸建てに住みたいという人はとても増えています。
立地条件が良ければ、賃家は賃貸マンションよりも人気があるそうです。

 

家の状況によっては事前にリフォームが必要になってくる場合もありますが、定期的に家賃収入が入ってくることを考えると、対策の一つとして考えてみてもいいですね。

 

ただ、賃貸管理はどうするか?家賃収入の配分はどうするか?設備が故障した際の修理費は誰が出すのか?など細かな決め事が必要になってきます。

対策③売却する

花畑を歩く夫婦

相続人の意見がまとまれば、実家を売却するという方法もあります。

 

その際に大切なことが、事前に権利関係をはっきりさせておくことです。
いざ売却しようとしたところ、一部が親せきの土地だったなど、子どもが知らなかったことが出てくることも。
親御さんが元気なうちに一緒に、登記を取り寄せて土地と建物の権利関係を確認しておくといいですね。

 

相続した家や土地が一定の要件に当てはまるときは、平成31年12月31日までの間に売却すれば、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」があります。

 

また、親御さんが他界して空き家の状態で売却するのと、まだ居住しているときに売却するのでは、「特定居住用宅地等の特例3000万円控除」を使えるか否かによって、税金が大きく変わってきます。

 

売却を考えるときには、上手に節税できるように専門家に相談してみてもいいですね。

 

祖父母と子供の座る風景

節税のことも考えて、親御さんが元気なうちに家を売却して子どもの家の近所に引っ越しすることをすすめるのもいいかもしれません。
近くのバリアフリーマンションに入居して、夫婦で旅行を楽しんだり、孫と過ごしたり、家族揃っておいしいものを食べたり。夫婦で有料老人ホームに入ることも考えられます。

 

駅前の便利な場所なら生活するのも、遊びに行くのも便利。 子どもにとっても、親が近くにしてくれると安心だし、残りの人生を楽しんでもらえたらうれしく、親孝行する機会も増えてありがたいですよね。

 

もちろん家を売却したお金は、今後入院することになったり介護が必要になったりしたときの資金としても使えます。
そしていつか遺産相続が発生することになっても、主な遺産が現金ならスムーズに相続が進むでしょう。

対策④建物を壊して別のことに利用する

親が住む実家を賃貸併用住宅に建替えて、それを子どもが相続するケースも最近は増えているそうです。親子リレーでローンを組んで、親御さんが他界された後は、親が住んでいた部屋を貸すという仕組みです。

 

うまくいけば相続税の減免もできますが、この場合も他にも相続人がいる場合は、きっちりと話し合いをしておくことが大切です。

 


いかがでしたか?

 

いつまでも元気でいて欲しい親ですが、
いつか必ず迎える別れのとき。
タイミングを見計らって
親も子も腹を割って
最後までハッピーに過ごせる方法を
話し合うことが何より大切なのでしょうね。