意外に知らない?財形住宅融資の基本とその使い方
住宅ローンを選ぶとき、どこから借りたらいいのか探してはいませんか?
実は、民間の金融機関や住宅金融支援機構のフラット35の他にも、
借り入れ先があります。
その借り入れ先の1つが、「財形住宅融資」です。
この「財形住宅融資」は、いったいどのような融資制度なのでしょうか?
今回は、この「財形住宅融資」について分かりやすくご説明したいと思います。
財形住宅融資とは?
「財形住宅融資」とは、財形貯蓄を行っている方が利用できる融資制度です。
あなたや配偶者の勤務先に、「財形貯蓄」の制度はありませんか?
いわゆる財形と呼ばれる制度を利用している方に向けての融資制度のために、
誰でも使えるといったわけではありません。
財形住宅融資を利用できる人の条件
財形住宅融資を利用できる方の条件は、次の3つを全て満たす必要があります。
①住宅を購入する目的で、財形貯蓄を1年以上続けていること
②申し込み日の2年前以内に財形貯蓄への預け入れがあること
③財形貯蓄の残高が50万円以上あること
これらの条件を満たした上で、さらに土地や住宅の条件を満たすと、財形住宅融資を
利用することができます。
財形住宅融資とは?
民間の住宅ローンや住宅金融支援機構のフラット35などもある中で、
財形住宅融資を利用するメリット・デメリットを比べてみました。
財形住宅融資を利用するメリット
財形住宅融資を利用するメリットはいくつかありますが、
主に次の2点が挙げられます。
・5年固定金利のローンとしては、民間の住宅ローンより金利が低い
・事務手数料や保証料が必要ないこと
財形住宅融資は、5年毎に金利の見直しが行われます。
つまり、5年間は金利が変わりません。
この5年固定金利の住宅ローンを比べてみても、一般の金融機関の住宅ローンより
財形住宅融資の金利の方が低く設定されていることがあります。
ですので、5年固定金利を利用したい方にとっては、この点がメリットとなるのです。
また、事務手数料や保証料が必要ない点もメリットとして挙げられるでしょう。
これらの手数料が必要ないため、住宅ローン関連の諸費用も抑えられることに
なります。
財形住宅融資を利用するデメリット
財形住宅融資を利用するには、メリットばかりではありません。
当然、デメリットもあります。例えば、次のとおりです。
①借り入れ可能額は、財形貯蓄の合計残高の10倍(最高4,000万円)
②団体信用生命保険は自己負担
③5年毎に行われる金利の見直し額に上限が設定されていないこと
財形住宅融資の借り入れ限度額は、他の住宅ローンより低めです。
財形貯蓄(財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄を含む)の合計残高の10倍までかつ、
最高でも4,000万円までということは、借り入れ希望額に足りない場合もあります。
また、民間の住宅ローンやフラット35では、団体信用生命保険が付いていますが、
財形住宅融資では付いていないため、加入する場合は、団信保険料を別に支払うことになります。
さらに、金利の見直し額に上限が設定されていないため、適用金利が大幅にアップしてしまう可能性も考えておかなければなりません。
財形住宅融資のおすすめの使い方
以上のメリット・デメリットを踏まえて、財形住宅融資のおすすめの使い方を
ご紹介します。
それは、「短期間の借り入れ」と「少額の借り入れ」の場合に財形住宅融資を
利用する方法です。
返済期間が短いと、金利の上昇にも対応できる場合があります。
また、財形貯蓄の合計残高の10倍が借り入れ限度額のために、希望額に合う場合は
利用を検討してみてもよいかもしれません。
フラット35などの長期固定住宅ローンとも併用できるので、リスク分散のために
変動金利・固定金利を混同して借りたいという方は、「財形住宅融資+フラット35」という併用パターンもおすすめです。
今回は、「財形住宅融資」についてご紹介しました。
利用できる条件は限られていますが、条件さえ合えば、お得に利用できる
融資制度です。
民間の住宅ローンやフラット35などの他の手段として、または併用する住宅ローンの
1つとして、「財形住宅融資」の利用を考えてみてはいかがでしょうか?