じつは奥深い階段のお話~どこにどんなタイプをつける!?~
お家を建てるとき、階段のタイプやつける位置にこだわりますか?
あまり気にすることがないように感じる階段ですが、
実は、どこにどんな階段をつけるかで
住み心地や家族の生活スタイルも変わってきます。
階段を構成するもの
2階以上のお家なら、必ずつける必要のある階段。
少し専門的なお話になりますが、階段を構成するものには、足を乗せる部分の「踏板(ふみいた)」、立ち上がり部分で引っ込んでいる「蹴込板(けこみいた)」、階段の両側にある斜めの「側桁(がわけた)」などから構成され、階段一段分の高さは「蹴上げ寸法」といわれています。
そしてこれらのサイズは、安全性の問題から、建築基準法などによって標準のサイズが定められています。
住宅の場合、階段1段分の高さは23㎝以下と定められており、蹴上げが低く緩やかな階段は上り下りがラクにできますが、段数が多くなります。
どんな階段がある!?
階段のタイプは、まず、昇降方法によって分けられます。
〇直階段
まっすぐで折り返しのない階段を上り下りするタイプ。
省スペースでシンプルな形です。
〇かね折れ階段
階段の途中でⅬ字型に折れているタイプ。踊り場があるので、モノなどが落ちても下まで一気に落ちずにすみます。
〇折り返し階段
階段の途中でU字型に折れているタイプ。
踊り場は、かね折れ階段よりも広くなります。
〇らせん階段
階段がらせん状になっているタイプ。踏板が三角形になることが多く、スペースが狭い部分があるので、上り下りするときに注意が必要です。
つくり方・素材もいろいろ
一般的な階段の場合、現場で造作される場合もありますが、最近では建材メーカーが工場で加工した踏板や蹴込板などを使用することもあります。
蹴込板を使わずオープンな階段で空間に広がりを持たせたり、階段下に棚や収納を組み込んだり、踊り場にワークスペースを設けたり。
ただ上り下りするための階段でなく、様々な機能をもたせることも可能です。
階段の素材は、床材やインテリアとのバランスで検討します。
最も多いのが木質系ですが、アルミやスチールなど金属をとり入れた階段もあります。
どのような階段にするかによって、設置スペースや費用が異なってきますので、お家を建てる前に設計者とよく相談して決めましょう。
何より安全性を第一に
階段のプランニングは、当然間取りと一緒に考える必要がありますが、安全性を第一に考えることが大切です。
子どもがいたり高齢者がいたりするご家庭では特に、上り下りしやすい蹴上げ寸法や、手すりをつけること、すべりにくい工夫をすることなど配慮が必要です。 もちろん自分たちの将来のことも考えておきましょう。
リビング内階段のメリット・デメリット
特に子育て世代を中心に人気なのが、リビング内階段です。
帰宅した子どもが玄関を入ってから、必ずリビングを通らないと個室に行けないつくりのことから、親子のコミュニケーションをとりやすいというメリットがあります。
また、階段部分のスペースをリビングの一部に取り込むことができるので、空間を有効利用できるメリットもあります。
その他、プランによっては、上階からの光をとりこみ、リビングが明るくなったり、デザイン性の高い階段にすることで空間のポイントにできたりすることもあります。
一方、デメリットとしては、どうしても冷暖房効率が低下してしまうことが挙げられます。
料理のにおいが上階まで届いてしまったり、2階で子どもたちが遊ぶ音がリビングまで響いてしまったりすることもあるかもしれません。
また、子どもさんのお友達が遊びに来たとき、リビングを通って個室に行くようになるので、リビングをきれいに整えておく必要が出てくる、なんてことも。
リビング内階段を検討している方は、メリットとデメリットをよく考えてプランニングしてくださいね。
階段というと、付属のもののように考えてしまいそうになりますが、
家族の過ごし方やお家の印象に少なからず影響を与えるものなんですね。
じっくり考えて、あなたのお家にぴったりの階段をつけてくださいね。